皇軍を貶めた朝日新聞の罪 埼玉県支局長 磯 和典

復刊六号(平成二十六年十月一日)より

天災による広島や御嶽山など各地で被災された方々には、心よりお見舞ひ申しあげます

さて、八月五日に朝日新聞が、従軍慰安婦の記事は間違ひであつたことを認める記事を発表した。しかし、この記事に対し訂正は認めるが謝罪はいつさいしてゐない。九月になつても一向にその気配はない。朝日新聞は相当売上が減少してゐるらしい。当然のことである。この記事のおかげで、日本国そして日本国民が三十年も迷惑を被つてゐる。この会社こそ、反社会的企業と言つても過言ではない。ただ、ここで朝日新聞だけをたたくだけでは戴けない。この記事を認めた所謂「河野談話」に就いて、政府自民党は歴史的認証を怠り、当時戦前生まれの議員もゐたのにも関はらず、もつと早い段階で中共や韓国と歴に認識をめぐる対話的解決が出来たのではないか?
安倍首相は、九月のNHK番組で、朝日新聞が従軍慰安婦の一部報道を取り消した問題をめぐり、朝日新聞に対し「世界に向かつて取り消していくことが求められてゐる」と指摘、事実関係を国際社会に説明すべきだとの認識を示した。「事実ではないと国際的に明らかに」することを、我々も考へなければならない」とし、政府としても対応する意識を明らかにした。当然のことである。
また、自民党の稲田朋美政調会長は、某テレビ番組で、「誤報を放置してきたのは、不作為による虚偽(報道)と言つても過言ではない。おわびではなく、日本の名誉回復のため何をするか発信すべきだ。」と注文した。 ここまでの記事から、参考までに「河野談話」が発表された平成五年八月五日の報道を振り返つてみることにした。同日の「読売新聞」朝刊は、「政府、強制連行を謝罪と云ふ見出しで報じてゐる。「産経新聞」」朝刊の見出しも」強制連行認める」である。面白いのは、朝日新聞朝刊の見出しでは、「慰安婦『強制』認め謝罪」とされてゐる。因に河野談話」には「強制連行」と云ふ言葉は出て来てゐない。ねんのため、河野談話を全文記載する。
『所謂従軍慰安婦問題に就いては、政府は、一昨年十二月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまつたので発表することとした。
今次調査の結果、長期に、かつ広汎な地域にわたつて慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送に就いては、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集に就いては、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たつたが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあつたことが明らかになつた。また、慰安所に於る生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであつた。
なほ、戦地に移送された慰安婦の出身地に就いては、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めてゐたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行はれた。 いづれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問はず、所謂従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負はれたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのやうな気持ちを我が国としてどのやうに表すかと云ふことに就いては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考へる。
われわれはこのやうな歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このやうな問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないと云ふ固い決意を改めて表明する。
なほ、本問題に就いては、本邦に於て訴訟が提起されてをり、また、国際的にも関心が寄せられてをり、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払つて参りたい。』
この談話を見て解るとほり、「河野談話」の内容をより正確に反映してゐるのは、面白いことに朝日新聞の見出しであり、『読売や産経は「河野談話」によつて日本政府は強制連行を認めた』と云ふ認識のもとに報じてゐたことになる。私自身、二十年前の記事のことをはつきり覚えてゐるわけではないが、当時のマスメディアが韓国と仲良くしたいがために日本政府を叩かうとしてゐることがはつきり解る内容だ。そもそも、この「従軍慰安婦問題」に対し、先にも述べたが日本国政府は徹底して虚偽であることを証明しようとせず、放つておけばなんとかなると思つてゐたから、その政府から「河野談話」なんてことが発せられることになつてしまつたのであらう。
話は変はるが、そもそも「北方領土」や「竹島」の領土問題に関しても、政府ははつきりと発言して来なかつたことから、一連の領土問題に繋がつてゐる。北方領土問題は、昭和二十六年年九月のサンフランシスコ媾和条約に於て、抛棄した千島列島の中には、北方四島は含まれてゐないことを明確にしてゐなかつたことが原因である。竹島に於ては、韓国が、サンフランシスコ平和条約《昭和二十七年四月二十八日》よりも前、同年一月十八日に、自国の海洋主権を主張するため「李承晩ライン」を宣言し、その中に竹島を含めた。
確かに、日本が主権を回復するまへに、韓国に火事場泥棒のごとく竹島を占領されてしまつたはけであるが、このことにかんして、当時の政府自民党の外務大臣が、「竹島のことは未来の世代に託さう」と、このときはつきりと韓国と話してゐれば、もつとちがつた形になつてゐたかもしれない。
日本人の美徳と云ふか国民性なのか、良くグレーゾーンと云ふ言葉を聞く。なんとなく、甲乙つけたらいかんなあ、はつきり白黒つけたらまずいなあ、なんて云ふ時に使ふことで、大体の日本人は解つて戴けるであらう。しかし、こと外交にかんして、はつきりしないことを何十年もやつてきたから、領土問題も、この従軍慰安婦問題も片つかず、ずつと引きづつて来てしまつた。政府は、朝日新聞にも、韓国に対しても、また中共にも、正しいと思ふことは徹底抗戦していかなければ、本当の主権回復には及ばない。出鱈目な活動をしてゐる、韓国・中共のことは、世界中も気がついて来てゐるが嘘もつき通せば真実なりえる、と云ふ言葉もあり、一部の国民でさへ、昔の日本軍は悪いことをしたと思つてゐる人々がゐる。
さう云ふ国民に対し、我々民族派と呼ばれてゐる人間か啓蒙活動をして行かなければいけないのではないだらうか?さう痛感するこの頃である。

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