第一六四三詔 井上馨朝鮮派遣の國書(明治十七年十二月二十一日)

天祐(てんいう)保有(ほいう)シ、(ばん)(せい)一系(いつけい)帝祚(ていそ)(ふみ)タル大日本帝國(だいにつぽんていこく)大皇帝(だいくわうてい)(つつしみ)(ちん)良友(りやういう)ナル(だい)朝鮮國(てうせんこく)大王(だいわう)(まを)ス。今般貴國(こんぱんきこく)(けい)(じやう)(おい)テ、(註一)不幸(ふかう)ナル生事(しやうじ)アリ。(ちん)(ふか)兩國(りやうこく)(ぶく)()(まつと)ウセンコトヲ(ほつ)シ、(ここ)(ちん)(もつと)信任(しんにん)貴重(きちよう)スル参議兼(さんぎけん)外務(ぐわいむ)(きやう)伯爵(はくしやく)井上(ゐのうえ)(かほる)特派全權(とくはぜんけん)大使(たいし)(にん)シ、()スルニ、便宜(べんぎ)行事(ぎやうじ)全權(ぜんけん)(もつ)テシ、貴國(きこく)()(わう)セシム。井上(いのうえ)(かほる)(ちゆう)(じつ)明敏(めいびん)ニシテ、()(その)(にん)(たふ)ルハ、(ちん)確信(かくしん)スル(ところ)ナリ。(より)同人(どうにん)ヨリ大王(だいわう)(たい)シ、(りん)(ぱく)スル(ところ)(しゃ)ハ、(ちん)()(ところ)(こと)ナラス。(のぞ)ムラクハ大王(だいわう)()(その)(げん)信認(しんにん)シ、(これ)寵侍(ちようじ)榮遇(えいぐう)セラレンコトヲ。(ここ)大王(だいわう)多福(たふく)(いの)ル。(「法規分類大全」)

(註一)明治十七年の甲申の年、朝鮮京城(現ソウル)で起こつた政変。開化派(独立党)の金玉均・朴泳孝らが、朝鮮の独立と政治改革をめざし、日本の援助で王宮を占領したが、二日後に清の武力干渉によつて失敗。甲申事変。

承詔必謹

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