東日本大震災より三年

千年に一度と言はれる未曾有の大震災より三年が経つた。
災害により亡くなられた方々に哀悼の意を表すと共に一日も早い復興を祈念致す。

古来より日本精神には「自然に感謝し自然を畏れよ」がある。
言葉を変へれば「神に感謝し神を畏れよ」である。

特に近年科学万能主義に片寄り、感謝や畏れと言ふものから遠ざかつてゐるやうに思はれる。
森羅万象全てに神が宿ると言ふ事を「迷信」と嘲笑ひ、人智及ばぬ物はなにもなし、と言ふやうな驕り高ぶつた心が支配してゐた事は明らかであつた。

しかし東日本大震災を受け日本のみならず、世界の価値観が少しづつではあるが人智及ばぬ事を畏れるやうになつたのではなからうか。それはどんな国難の只中であつても正しい秩序を示すと言ふ、日本精神が発露された事によると信じて疑はない。

人類にとつて3.11の教訓は、人智及ばぬ自然に感謝し尚且つ畏れると言ふ事ではなからうか。
天皇尊の玉音(宮内庁HPより)
東日本大震災3周年追悼式 平成26年3月11日(火)(国立劇場)

本日,東日本大震災から3周年を迎え,ここに一同と共に,震災によって失われた人々とその遺族に対し,改めて深く哀悼の意を表します。
3年前の今日,東日本を襲った巨大地震とそれに伴う津波は,2万人を超す死者,行方不明者を生じました。今なお多くの被災者が,被災地で,また,避難先で,困難な暮らしを続けています。さらにこの震災により,原子力発電所の事故が発生し,放射能汚染地域の立入りが制限されているため,多くの人々が住み慣れた地域から離れることを余儀なくされています。いまだに自らの家に帰還する見通しが立っていない人々が多いことを思うと心が痛みます。
この3年間,被災地においては,人々が厳しい状況の中,お互いの絆きずなを大切にしつつ,幾多の困難を乗り越え,復興に向けて懸命に努力を続けてきました。また,国内外の人々がこうした努力を支援するため,引き続き様々な形で尽力していることを心強く思っています。
被災した人々の上には,今も様々な苦労があることと察しています。この人々の健康が守られ,どうか希望を失うことなくこれからを過ごしていかれるよう,長きにわたって国民皆が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います。そして,この大震災の記憶を決して忘れることなく子孫に伝え,防災に対する心掛けを育み,安全な国土を築くことを目指して進んでいくことを期待しています。
被災地に1日も早く安らかな日々の戻ることを一同と共に願い,御霊みたまへの追悼の言葉といたします。