第一五〇二詔 千島樺太交換條約批准の詔(明治八年八月二十二日)

天祐(てんいう)ヲ保有(ほいう)シ、萬(ばん)世(せい)一系(いつけい)ノ帝祚(ていそ)ヲ践(ふみ)タル日本(につぽん)皇帝(くわうてい)、此書(このしよ)ヲ以(もつ)テ宣示(せんじ)ス。朕(ちん)、全露西亞(ぜんロシア)皇帝陛下(くわうていへいか)卜望(のぞみ)ヲ同(おなじう)シ、朕(ちん)ハ樺(から)太(ふと)島(たう)ノ內(うち)、朕(ちん)カ所領(しよりやう)タル部分(ぶぶん)ヲ全(ぜん)露西亞(ロシア)皇帝(くわうてい)陛下(へいか)ニ讓與(じやうよ)シ全(ぜん)露西亞(ロシア)皇帝(くわうてい)ハ、其(その)所領(しよりやう)タル千島(ちしま)群島(ぐんたう)ノ全部(ぜんぶ)ヲ朕(ちん)ニ讓與(じやうよ)スルコトヲ互(たがひ)ニ決(けつ)シタルヲ以(もつ)テ、雙方(さうはう)ノ全權(ぜんけん)・重臣(ぢゆうしん)、明治八年五月七日、彼得堡(ペテルブルグ)ニ會(くわい)シ、其(その)條(でい)約(やく)ヲ締結(ていけつ)調印(ていいん)セリ。即(すなはち)其(その)條款(でうかん)左(さ)ノ如(ごと)シ。(條款省略)

 朕(ちん)、親(した)シク右(みぎ)條(でい)約(やく)ヲ通覽(つうらん)シ、其(その)旨(むね)ヲ至當(したう)トス。 故(ゆゑ)ニ今(いま)此書(このしよ)ヲ以(もつ)テ之(これ)ヲ全(まつた)ク證認(しようにん)批准(ひじゆん)シ、天地(てんち)ト悠久(いうきう)ヲ期(き)シ總(すべ)テ條(でい)約(やく)中(ちゆう)所載(しよさい)ノ條款(でいくわん)ハ正(まさ)ニ之(これ)ヲ遵(じゆん)行(かう)セン事(ごと)ヲ約(やく)ス。右(みぎ)定證(ていしよう)トシテ爰(ここ)ニ朕(ちん)ガ名(な)ヲ親記(しんき)シ、國璽(こくじ)ヲ鈐(きん)セシム。(明治八年「太政官日誌」)

承詔必謹