卿、諸軍ヲ統督シ、久シク戰地ニ在リ。勞苦想フへシ。近ロ聞ク。惡疫流行。頗ル暴厲(註一)ヲ逞クスト。出征ノ人、或ハ之ニ觸ルヽ者アラン。朕甚タ之ヲ憂フ。依テ今侍從高辻修長、侍醫竹內正信ヲ遣ハシ、其近狀ヲ視セシメ、且藥品ヲ頒與シ、懇ロニ勞問ノ意ヲ通セシム。卿、其レ此旨ヲ將校下士卒及ヒ諸ノ軍人ニ傳諭シ、須ク其豫防ヲ嚴ニシ、各自保愛スへシ。(「法規分類大全」)
註一 荒々しく激しいことの意
※明治十年は西南の役が勃発し、戦線でコレラが発生し帰還兵により感染が全国に広がつた。これを受け衛生防疫体制の整備を急ぎ、明治十二年に「コレラ病予防仮規則」を公布、明治十四年には「伝染病予防規則」を公布。或る地方自治体では「清潔法」「摂生法」「隔離法」「消毒法」の四つを県民に通達した。
承詔必謹