表紙 >  古学・国学 > 国学発達史 >                 

清原貞雄著「国学発達史」考九

第二章 近世国学の先駆

第二節 復古国学の先駆

度会延佳

●度会延佳は元和の初めに生まれた人で、寛永の頃に於ける外宮唯一の学者である。延佳の神道もやはり五部書以来の伊勢神道を基礎としてゐるが、従来の伊勢神道が頗る仏臭を帯びたものであつたのに対して、神仏習合を斥けて神儒習合に傾いた事は、時代の傾向として注意すべきである。

●斯く仏教は斥けたが、習合するといふ事が悪いのではないから、儒教との習合を試し見たのである。我神道と聖人の道との異ならずを論じ、三種の神器に智仁勇の三徳を表はしたものであるとの古説を認めて、孔子の道は神道に等しき道であるとした。

●然し神道が支那の道に等しいのでは無い、彼道が神道に同じであるとみなければならぬとの主張である。この点は後の平田篤胤に依つて強調せられた自国本位主義と相通ずるものであるが、復古国学派では儒教そのもの仏教そのものを排斥攻撃したのに延佳はまだその所までは行つてをらぬ事が違ふのである。